分断の時代を生きる(1)
- テーマ:
- トランプさん (アメリカ大統領)
日本のマスコミはトランプ時代を予測して「分断の時代」と呼ぶが、
これは表向きのストーリーからも、真相の意味からも、トランプ政権を言い得ていると思う。
ただしマスコミが喧伝しているのは、その表向きのストーリーだけだ。
その表向きのストーリーとは、
「国際社会で、連帯よりも分断が広がっている。それはトランプさんたちのせいだ」
というものだ。
神戸新聞がこの表向きのストーリー(マスコミの主張)を代表するような社説を掲載している。
神戸新聞社説(2016年12月31日)
われわれの真の国籍は人類。これは英国の作家H・G・ウェルズが約100年前に述べた言葉だ。第1次大戦の惨禍を踏まえ、人類は違いを超えて連帯せねばと訴えた。
ウェルズの言葉と逆の流れが今、国際社会に広がっている。連帯よりも分断が、寛容さよりも排他的な動きが激しさを増している。
全ての国が自国利益を優先して内向きになれば、他国との溝は深くなる。異民族、宗教などへの無理解な言動がまん延すれば、対立が紛争や虐待に発展する恐れがある。
歴史から学んだその重い教訓を、改めて胸に刻む必要がある。
「デバイデッド(分断された)・ステーツ・オブ・アメリカ」
米国の次期大統領トランプ氏を特集した米誌はこんな見出しを掲げた。「合衆国」を意味する「ユナイテッド(連合した)・ステーツ・オブ・アメリカ」をもじった言葉だ。
敗れた民主党クリントン氏の得票はトランプ氏を約280万票も上回った。だが獲得した選挙人の多いトランプ氏が勝利を手にした。
「全ての国民の大統領になる」とのトランプ氏の言葉とは裏腹に、大統領選は亀裂を際立たせた。
「私たちの大統領ではない」と叫ぶ反対派のデモが今も続く。一方でトランプ氏の過激な発言に刺激された白人至上主義者が、有色人種への嫌がらせに走る。抑制されていた負の感情が噴き出したかに見える。
(中略)
分断の溝を埋め、民主主義の基礎である自由や人間の尊厳をどう守り抜くか。他者の苦境に心を寄せ、共に立ち向かう。信頼の糸をつむぎ直す努力が求められる。私たちの国や地域にも共通する課題である。
以上。
よくできている社説だ。
大手新聞やテレビや池上彰さんたちが推奨するような、模範的な表向きのストーリーである。
真相を見なければ、これで「トランプさんが悪い」「従来の連帯を目指して努力しよう」という話で完結してしまう。
しかし、実際はそんな表層のゴタクでは何も解決しない。逆に悪化させてしまう。
この「分断の時代」の真相の根はもっと深いのだ。
第二次世界大戦後、中国を除く人類はみな連帯を目指して歩んできた。
その連帯とはグローバリゼーションを指す。いまのTPPもその流れだ。
もし、この連帯・グローバリゼーションが、全人類の声として、全人類の代表によって、全人類のために進められてきたのならば、何の問題もない。神戸新聞などのマスコミが言うとおり、いまの連帯を維持する努力をしていけばよい。
しかし、この連帯・グローバリゼーションが一部の国だけの思惑によって進められてきたとすれば、どうだろうか?
さらに言えば、その一部の国を動かしている一部の勢力の思惑によって進められてきたとすれば、どうだろうか?
さらに、この連帯・グローバリゼーションを押し付けられた国々が壊滅的な損失を被り、この一部の勢力だけが膨大な利益を享受してきたとすれば、どうだろうか?
マスコミが喧伝している表向きのストーリー(建て前)の裏には、実際の利益を享受している黒幕が存在する。
その黒幕とは?
連帯・グローバリゼーションを進めているのはアメリカ国務省に他ならない。(われわれの盟友たるアメリカ国民ではない。)
そして、もう多くの人たちが感じていることだが、そのアメリカ国務省を動かしている黒幕は、アメリカ金融資本、軍需産業、石油メジャー等である。いわゆる国際ユダヤ資本と総称される連中だ。
トランプ氏はまさにそのど真ん中に飛び込んで、反連帯、反グローバリゼーション、反TPPを推し進めようとしている。
(続く)
次回からは連帯・グローバリゼーションとの具体例を挙げ、トランプ氏の分断の時代を見極めながら、われわれはその中でどうやって生き抜いていくべきかを考察していきたいと思います。