分断の時代を生きる(9) 秘密を握る男
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- トランプさん (アメリカ大統領)
(中南米の子どもたち)
歴史の秘密を握る男が、沈黙したままこの世を去ろうとしている。
今週3月8日のロイター通信によると、
「中米パナマの元独裁者で、米国CIAの協力者でもあったノリエガ将軍(83)が重体である。ノリエガ氏は南米コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルと組んで麻薬密輸に関わっていたため、1989年に米軍の侵攻を受けて失脚。麻薬密輸の罪で現在も服役中だった。」(要約)
しかしその1989年当時、おれが日本興業銀行(現みずほ銀行)の役員(故人)から聞いた話はこの記事とはまったく違う。
当時その役員氏は、興銀の池浦会長との権力抗争に敗れ、乾坤一擲の復権を図っていた。だから興銀の天皇・池浦会長の裏表を知り尽くした男でもあった。
おれはまだ若造だったので、おれのスポンサーだった某一部上場会社の社長と一緒に聞いたのだ。
役員氏の話はこうである。
ノリエガ将軍はアメリカCIAの協力でパナマの独裁者にのし上がり、その見返りとしてアメリカがパナマの富と利権を独占するのを助けた。
しかしアメリカの白人エスタブリッシュメントはパナマ人の土地も事業も収奪を続け、土地を奪われたパナマ人はますます極貧に陥って、白人エスタブリッシュメントのプランテーションで奴隷労働をするより他に生きる道がなくなっていった。そして子供のころからの重労働で文字も読めないまま働かされたのである。
ノリエガ将軍はこの現実を目にしてだんだん反米になっていく。
そしてノリエガ将軍がアメリカの代わりに援助を求めたのが、日本の資本だ。
ノリエガ将軍と組んで日本側で音頭を取ったのが、日本の銀行のドン・興銀の池浦会長なのだ。
ノリエガ将軍はアメリカの白人エスタブリッシュメントを徐々に締め出し、代わって興銀傘下の日本企業が大挙してパナマに進出した。
パナマは変わろうとしていた。
しかしこれを、締め出されようとしているアメリカの白人エスタブリッシュメントとその親分の国際ユダヤ資本が許しておくわけがない。
レーガン大統領に圧力がかかった。
レーガン大統領は中曽根総理とのハワイの頂上会談のとき、ついでの話としてこの件も依頼した(すなわち圧力をかけた)。
中曽根総理は帰国するとすぐに興銀の池浦会長に、パナマから撤退するよう依頼した(すなわち圧力をかけた)。
ところが、かの役員氏を蹴落とした池浦会長は興銀の天皇と呼ばれた絶対権力者である。
この総理大臣の依頼を蹴ったのだ。
そしてしばらく揉めたのち、中曽根政権のフィクサーが動いた。
すなわち大阪の尾上縫の巨額詐欺事件を表面化させるのである。
大阪千日前の料亭の女将に過ぎなかった尾上縫がバブルの株式投機で損失を重ね、興銀が絡んだ証書偽造(興銀は被害者)によって最終的に3兆円近い資金を破綻させてしまった。この事件は映画にもなった。
当然ながら興銀は他の焦げ付き同様に表面化させず内部処理しようとしていた。
しかし表面化させられてしまい、マスコミの論調は興銀の責任問題を取沙汰しだし、直接融資を行った東洋信金も破綻した。
ここに至ってついに池浦会長も屈する。(池浦会長はこの後会長職を辞任する。)
パナマへの資金は全面的にストップした。資金を止められた日本企業もみな撤退した。
こうして資金パイプを失ったノリエガ政権は官僚や軍人にさえ給料を払うことができなくなり、ノリエガ将軍配下のパナマ軍も身動きできなくなった。
米国CIAはわずか数十人の工作員を送り込んでノリエガ将軍を逮捕し、
パナマは再びアメリカの国際ユダヤ資本・白人エスタブリッシュメントのグローバリズムの支配に服したのである。
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そう、パナマのノリエガ将軍は当初は米国CIAを利用して自己の独裁政権を築きながらも、白人エスタブリッシュメントによる非人道的植民地支配を目の当たりにしているうちに、最終的にはキューバのカストロやチェ・ゲバラと同じ夢を抱いたのだ。
そう、キューバのように、植民地主義(グローバリズム)の国際ユダヤ資本・白人エスタブリッシュメントを自国から「分断」して追放し、パナマの国富をパナマ国民に取り戻す夢である。
vcv
追伸。
麻薬の密輸について。国際ユダヤ商人は18~20世紀にかけて、1840年の中国のアヘン戦争に見られるように、信じられないほど膨大な量の麻薬(アヘン)を世界中に200年以上も密輸し続け、現在の世界を支配する天文学的な富を築いた。
ノリエガ将軍も当初は国際ユダヤ商人の子分=国際麻薬商人の子分として麻薬の密輸に携わった。麻薬で莫大な富を築いた国際ユダヤ商人は君臨し続け、子分のノリエガ将軍は親分に逆らったために潰されたわけです。
ご参考 → 分断の時代を生きる(3) どうやって巨富を築いたか
それではまた!