フミヤス・サンタゲバラ クラブ

人間と世界を動かしている秘密と真相を勝手に書いていきます。 このブログには実在の政財界のフィクサー、実力者、著名な実業家、メスネコなどが登場します。

メリークリスマス!・・・グーグルもAIも超える境地転換

 

 

 

 

幸せいっぱいのクリスマス・イブ。

 

 

しかし雪が降りしきる厳寒の夜のニューヨーク、大きな川の橋の上で、

 

ジョージはいま投身自殺をしようとしている。

 

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

ジョージはみんなのために一生懸命に生きてきた。

 

   たしかジョージが12歳のとき、みんなで氷遊びをしていたとき9歳の弟が凍える池に落ちて溺れそうになったのを飛び込んで救ったことがあった。しかしそのときジョージは片耳の聴力を失ったのだった。

 

ジョージは父をとても尊敬していた。父は、高利貸しの悪徳銀行家に対抗して、街の人たちのために低金利の住宅ローンを供給していたのだ。だから父は銀行家に苦しめられながらも、街の人たちから慕われていた。生活は苦しかったけれども幸せだった。

 

ジョージには夢があって、学校の放課後、毎日ドラッグストアでアルバイトをした。ジョージは建築家になることを目指していて、そのために大学に進学する学費を自分で貯めていたのだ。

 

ジョージはハンサムでカッコよかったので、よく学校の女の子たちがドラッグストアにアイスクリームを食べにきた。ジョージは冗談を言いながら店員として給仕したが、ジョージには遊ぶ時間はなかった。

 

ある日、ドラッグストアの店主の息子が病死し、気が動転した店主は顧客の処方箋に誤って毒薬を入れてしまったことがあった。ジョージは店主に心から同情してその薬をそっと仕舞って客に届けなかった。店主はその後感謝してくれたが、そのときは薬を客に届けなかったというのでめちゃめちゃ怒られて耳から血が出るほどたくさん殴られた。

 

 

 

やがてみんな高校生になった。しかしわずかなアルバイト代ではなかなか大学の学費には届かず、同級生たちが次々に大学に進学していく中で、ジョージは一層アルバイトに精を出さなければならなかった。

 

そんなある日、尊敬する父が心労のため急死してしまう。悪徳銀行家はここぞとばかりに父の会社の資金パイプに圧力をかけて父の会社を潰そうとしてきた。

 

ジョージは会社の経理責任者である叔父や株主や従業員たちから推されて、父の会社を継ぐことになった。夢だった大学進学は自分の代わりにまず弟を先に大学に進学させ、弟が卒業したら会社の経営をいったん交代して、そのあと自分が大学に行くということになった。

 

ジョージは父の遺志を継いで、叔父や従業員たちといっしょに歯を食いしばり、街の人たちのために低金利の住宅ローンを供給し続けた。

 

しかし4年後、大学を卒業した弟は工場主の娘と結婚して、その工場で働くことになった。弟の妻はとてもいい娘だったので、弟のためにも、ジョージは自分の大学進学と建築家になる夢は捨てざるを得なかった。

 

 

 

そんなジョージもやがて幼なじみのメアリーと結婚することになる。しかしこのとき世の中の景気は大不況時代に突入しようとしていた。

 

ジョージとメアリーが式を挙げて、これからハネムーンに出発しようというとき、銀行で取り付け騒ぎが起きているのを目撃する。

 

二人が出発を延期して自分たちの会社に行くとやはり債権者たちが押しかけてきていた。

 

ジョージの会社の債権者たちの多くはジョージに賛同する街の人たちだ。みな生活費からわずかなお金をジョージの会社に預けていたので、大不況のためにみな当座の生活費にも困ってしまったのだ。

 

契約上は債権者たちに返済する期日はまだ来ていない。しかし二人はハネムーンのための資金を提供し、債権者たちの当座の生活費のために分配して助けたのだった。けっきょくジョージとメアリーはハネムーンには行くことはできなかった。

 

 

 

ジョージは何とか大不況を乗り越えると、

 

悪徳銀行家の支配下のアパートで高い家賃に苦しんでいる人々のために、ベイリーパークという家賃の安い宅地開発を実行に移す。

 

街の人たちは満面の笑顔でジョージのベイリーパークに引っ越してきた。ベイリーパークは質素ながらも笑顔と助け合いのある温かい街へと発展していった。

 

ジョージとメアリーも、最初のデートで通りかかった古びたボロ屋敷に移り住み、少しづつリフォームして住みやすくきれいな家に変えながら、やがて4人の子どもを授かった。

 

 

 

戦争がはじまると、

 

ジョージは耳の障害のために兵役を免除されるが、弟は海軍のパイロットとして大活躍し、大統領からの名誉勲章に輝く英雄となった。ジョージも家族も街の人たちも感激し、弟は街の誇りとなった。

 

そして戦争が終わった。

 

その年のクリスマス・イブの朝、街は平和の到来と、ジョージの弟である英雄の凱旋のための歓迎準備で大賑わいだ。

 

 

 

ジョージの叔父も誇りに満ちて、幸せ満面で、会社の支払いのための大金を持って銀行に向かった。

 

ところが、銀行の店先で銀行のオーナーである悪徳銀行家と遭遇し、言い合っているうちに入金するために持参した大金を紛失してしまう。

 

叔父は気づくと死に物狂いで探したが見つからない。

 

真っ青な顔で会社に戻って机や戸棚をひっくり返すが、やはり見つからない。

 

ジョージもこれを知ると、一緒に必死に探した。

 

このままでは会社は銀行の支払いができず、不渡りとなって倒産してしまう。

 

しかも帳簿に穴があいて自分も叔父も刑務所行きになってしまう。

 

二人は必死に探しまわるが、しかし見つからない。

 

その大金は銀行で悪徳銀行家に騙し取られていたのだ。

 

 (続きを読む)