その気持ちがうれしい・・・誠実さとは?
好鳥聲如契 寒梅香可憐 (樵舟)
好ましい鳥の聲は、人生の契機を告げる如し。
春を迎える寒梅の香りはこんなにも愛おしいものだったのか。(フミヤス流)
書家の樵舟さんから書画を頂いた。
樵舟さんの弟子である友人から連絡があったのだが、その気持ちがとてもうれしい。
その何の欲得も私心も計算もない樵舟さんと友人の純粋な気持ちが、おれなんかにはもったいないほど素晴らしいのだ。
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じつは、この書画は165cm×85cmという大作なので、一昨日、おれの千代田区〇番町の自宅に直接送ってくださったのだが、配送業者の手違いでこの日は届かなかった。
それで友人が急ぎ確認してくれたところ、配送業者が予定時間をかなり遅れて到着して、けっきょく不在配達票をポストに投函してくれたということだった。
驚いたのは、友人がそのことを樵舟さんに連絡したところ、樵舟さん自身で配送業者に連絡して急ぎ再送付の手続きをとってくださったという。
その誠実で謙虚な姿勢がさらにうれしくて、昨日はそのお弟子さんである友人と、樵舟さんの「誠実さ」「謙虚さ」について語り合って湧き出てくる喜びを分かち合った。
そう、思わず喜びが湧き出てくるのだ。
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前回のブログで書いた楠木正成が縄文日本人の誠実と忠誠を貫いて後世に伝え、大きな歴史的役割を果たしたように、書家樵舟もまた大きな歴史的役割を担っている。
中国古典の書論の真髄は、清時代の最高峰の書家である包世臣によって掘り起こされ、偉大な政治家でもあった康有為へと引受け継がれ、さらに戦後日本に在住した最高峰の中国人の知識人と言われた景嘉へと受け継がれた。
そしてその真髄を景嘉から唯一受け継いだのが日本人書家の樵舟である。
中国の古典から脈々と伝わる生きた書論を背負っている歴史の重みがあるのだ。